Project Description

シェル社がIHS Goldfireで海藻でバイオ燃料市場を革新

シェル社は、石油、ガス、石油化学製品のグローバル企業であり、バイオ燃料、風力、太陽光発電、水素にも取り組んでいます。130以上の国と地域において、108,000名のスタッフが活動しています。

石油とガスは、依然として世界の経済成長にとって不可欠なエネルギーですが、シェル社の事業が短期的にも長期的にも成功を収めるためには、経済、環境、社会に対する責任を担いつつ、世界が求めるエネルギーに対する将来ニーズを満たしていかなければなりません。

北極圏限界線の氷から、ハワイのコナの海岸まで、持続可能なエネルギーに対するニーズは、現代社会が直面している緊急の課題の一つとなっています。原油から精製された燃料を消費することで温室効果ガスが大気中に排出され、その結果、両極の氷が溶けて海面が上昇したり、気候への影響が出たりすると、多くの科学者が主張しています。

課題

  • 次世代のバイオ燃料と代替プロセスの開発
  • 海藻バイオ燃料の商用化のためのコンセプトの特定と強化

ソリューション

IHS Product DesignとIHS Goldfire®

結果

  • 次世代バイオ燃料のコンセプトを探求した結果、海藻類というコンセプトに到達した――エネルギーに対する世界中のニーズを満たす、誰もが予想しなかった解決策。
  • ソフトウェアを使用して、洗練された機能モデルの作成に関してコラボレーションを行った。
  • 商業的に利用可能で、気候に配慮した、海藻類によるバイオ燃料に関する技術革新が加速した。
  • 商業開発と世界展開を模索するための最初のプラットフォームとして、HRバイオペトロレウム社との合弁事業としてセラナ社が設立された。

植物や野菜から作られる有機的なバイオ燃料は、化石燃料に代わりとして、温室効果ガスの排出量を削減し、エネルギー安全保障を向上させる、証明された手段であると考えられています 。 しかし現在のアプローチでは、従来のエネルギー源と経済的に競合できるまでには至っていません。

シェル社は、その経験、専門知識、資産を活かしてバイオ燃料に関する政府命令を満たすことに取り組み、世界最大のバイオ燃料の販売会社となりました。しかし、従来のバイオ燃料ソリューションによって、問題が魔法のように何もかも解決するわけではありません。バイオ燃料が依存している土地や水は、人が食料とする作物にも使われるため、食糧コストの高騰を招く可能性があります。

たとえばトウモロコシの需要が高まると、スーパーマーケットで売られるシリアル食品の価格が急騰するだけではなく、メキシコでは多くの貧困家庭が、栄養源としてトウモロコシから作るトルティーヤに依存しているため、経済的な困難に陥る可能性があります 。

シェル社は、このエネルギー危機の最前線に立って、次世代バイオ燃料と代替プロセスの開発の取り組みへの投資を積極的に継続してきました。

シェル社は、技術革新のための演習として、この難題に取り組みました。そして、最適決定エンジンであるIHS Goldfireを最大限に活用して、次世代バイオ燃料のコンセプトを探求した結果、海藻類というコンセプトに到達したのです。それは、エネルギーに対する世界中のニーズを満たす、誰もが予想しなかった解決策でした。

「本当に頭の良い人だったら、何も見なくも革新的な技術を思い付くこともあるのでしょう。私たちの考え方は違っていました。しっかりと頭を働かせ、IHS Goldfireを活用する方法を選んだのです。このソフトウェアは、イノベーションのための制約を取り除いてくれるTRIZ(発明的問題解決理論)という手法に対する私たちの考え方にマッチしていました。IHS Goldfireは、私たちにとって非常に効果的なツールであることを証明してくれました」と、シェルグローバルソリューションズで海藻燃料開発マネージャーを務めるイアン・アーチボールド氏は語っています。

チームはIHS Goldfireソフトウェアを活用して、洗練された機能モデル――「バイオ燃料処理システムはどのように機能するか」についての理解を深めるためのダイアグラム――の作成に関してコラボレーションを行う一方で、既知の課題や機会に対するチームの理解について把握しました。それから、これらのモデルを新しいコンセプトを探求するための足がかりとして、IHS Goldfireの統合されたテクノロジープラットフォームとも組み合わせました。こうしたダイナミックな機能モデルを手に入れたことで、シェル社のエンジニアや研究者たちは、「課題」や「機会」と表示された場所をクリックするだけで、社内のみならず、社外のナレッジベースや、IHS Goldfireの膨大な技術コンテンツから詳細なアイデアをセマンティック検索できるようになりました。そして、商業的に利用可能で、気候に配慮した、海藻類によるバイオ燃料に関する革新的な発想が推進されたのです。

かつて化学、物理学、生物学に打ち込む多くの人々が夢見ていた、海藻を使用することの可能性は、大学の研究室内でのことに限られていました。しかしシェル社は、IHS Goldfireの力を借りて、それを実現したのです。現在、商業開発と世界展開の可能性のための最初のプラットフォームとして、HRバイオペトロレウム社との合弁事業としてセラナ社が設立されました。

海藻には、大きな期待が寄せられています。海藻は、成長が早く、その他のバイオ燃料用作物と比較して、少なくとも15倍も多くの燃料を生産できます。その上、海水があれば栽培可能なことから、肥沃な土地と淡水を必要としません。また海藻は、煙突から排出される二酸化炭素を直接取り込むため、二酸化炭素排出量のさらなる削減にもつながります。

IHS Goldfireの機能モデリングは、このソフトウェアの最も重要な機能の一つです。これによって、創造的な思考が刺激され、そのコンセプトを実現してくれます。私たちはIHS Goldfireによって価値ある経験ができました。
イアン・アーチボールド氏, シェルグローバルソリューションズ、海藻燃料開発部

革新的で、商業利用が可能な、環境的に持続可能なエネルギー源に対するニーズはますます高まっています。世界的なエネルギーの解決策としてのバイオ燃料の重要性が高まりつつある中、シェル社は、海藻に関する革新的技術によって、その道を切り開いていく準備を整えています。

IHS Goldfireの主な活用例

シェルグローバルソリューションズのイノベーションの哲学は、IHS Goldfireのコンテンツと各種ツールの統合によって支えられています。

  • 創造的思考を刺激する豊富なライブラリー
  • 既存の技術や製品の機能・属性からの問題分析ができる、機能モデル・VEツール
  • 社内だけでなく世界中の知見に対する意味検索を実現するセマンテックテクノロジー
  • 未知の技術・解決法の探索ができるパテントインテリジェンス
  • 製品やシステムへの影響の分析を支援するリスク分析ツール(FMEA)