半導体・電子部品のPCN/EOL(製造中止/仕様変更)が急増!
IHSではアメリカを中心とする600社以上の半導体・電子部品メーカーの製品データを取り扱っています。その中で2008年11月の生産中止通知(EOL Notice)の数量は前月比で70%増加、2008年12月では更に33%増加しています。
IHSのサブジェクトマターエキスパート、ブライアン・スキラーノによると、この増加傾向は2009年も続くそうです。原因としては消費者向けの電気製品市場の縮小や環境対応製品への移行の動き、そして部品メーカーが利幅の薄い製品の製造を取り止めたことなどを挙げています。
IHSでは2009年も生産中止(EOL)通知と製品仕様変更通知(設計変更通知:PCN)の平均数は1月当たり550件を超える傾向にあると考えています。経営統合や企業買収、更に流通チャンネルの再構築が加速し、何百ものサプライヤーからの情報の伝達・収集・分析が一層重要になっていくでしょう。このような生産中止部品や製品仕様の変更はこれらの部品を利用する製品へ与える影響は計り知れないものがあるからです。
「早期発見」こそが生産中止製品のリスクマネージメントのカギ
生産中止品を使い続けてしまうことは非常にリスクを伴います。普段取引のない会社から互換品を購入しなくてはならなくなったり、再設計のため生産が遅れてしまったりしかねません。
IHSの生産中止品管理の3つのステップ
IHSの調査では年間6件以上の生産中止通知が見逃され予想外の支出と納品の遅れが発生しています。メーカーからの生産中止や仕様変更/設計変更の通知を受けたときに適切に処理しておけば避けられたケースがほとんどでした。
- PCN/EOLの収集とデータ化
IHSでは600社を超えるメーカーから製品仕様変更通知(PCN)や生産中止通知(EOL)を日々収集しています。これらの通知書は主に紙またはPDFです。IHSでは通知書内の部品番号や対応期限などの情報を取り出し、データベース化作業を行っています。 - BOMとのマッチング
IHSはデータ化されたPCN/EOLとお客様のBOM上のメーカー品番を分析しマッチング評価を行います。このマッチングの信頼度はアプリケーション上でユーザーが評価することができます。 - 関連部門への通知
BOM内の品番とマッチした生産中止部品や仕様変更部品があればユーザーにサマリーレポートをEメールで通知します。このEメールには生産中止や仕様変更のデッドラインが残り日数で記載されているためユーザーが対応期限を見過ごすリスクを軽減することができます。更にオリジナル通知書へのリンク情報も記載されています。
IHSではユーザーに代わって毎日エキスパートたちがPCN/EOLをモニタリングしています。ユーザーや購買部門がメーカーから通知書を入手したり、社内のBOMと比較して調べたりする労力を軽減するだけでなく、生産中止部品管理が及ぼすリスクを減らすこともできます。